• フリーランスクリエイターの報酬未払い対処法【債権回収】

2022.12.14 2022.12.15 ビジネス

フリーランスクリエイターの報酬未払い対処法【債権回収】

 
会社員クリエイターの場合は制作に打ち込み、給料日に振込がありますが、フリーランスの場合は案件ベースで都度それぞれのクライアントに請求書を出し、問題なく振り込まれているか確認する必要があります。
営業から受注、制作、納品とがんばって最後にその対価がなし!?そんなのただの痛恨の極みですよね…
今回は、報酬が支払われなくて困ったときの対処法を、実体験も交えてお伝えしていきます。

報酬を支払ってくれないときの法的見解

納品したのに報酬を支払ってくれないケース

まずは支払いを忘れているだけかもしれないので、確認の連絡を入れてみます。
そうではなかった場合、人類みな兄弟、話し合いをしようじゃないかということで、折り合いをつけたり、契約を見直します。

下請法では、支払遅延防止のために、納品物を受領した日から60日以内に支払期日を定め、発注者はその期日までに支払わなければならないと義務づけられています。
また、その支払期日までに支払われなかった場合、納品物が受領された日から60日経過した翌日から起算して支払完了までの日数に応じて発注者は年14.6%の割合で遅延利息を支払わなければなりません。

とはいえ実際にクライアントが資金繰り関連の問題で遅延ということが起きたのですが、しっかり支払う意思があり誠意が感じられるなら、少しくらい猶予期間があってもいいかと思います。
ただ、入金されていないのに同じクライアントから新規案件を受けるのは、未払いのミルフィーユになる恐れがあるので、振込確認できてから受注した方がよさそうです。

ちなみに代金の請求権は、早くて2年、長くても10年で時効になってしまいます。
それまでになんとしても決着をつけなければなりません。

 

発注内容の通り制作していたのに、内容の大幅変更やキャンセルされたケース

事前にヒアリングして発注内容の通りほぼほぼ制作できました、そこからの大幅変更の連絡!
内容にもよりますが、軽い段階なら耐えられても、結構工数をかけたものだとそれまでに制作に充てた時間がムダになってしまいダメージがデカいです。

下請法では不当な内容の変更や、やり直しを禁止しています。
クライアント都合で納品前に発注をキャンセルしたり、内容の変更、納品後に追加で作業を行わせるなどした場合、法的に発注者は全額費用を負担しなければなりません。

ただ、制作したものが発注内容と異なるなど、クリエイター側に責任がある場合はその限りではありません。

私もそういう場面に遭ったことがありましたが、クライアント都合で納品前に発注を取り消しされた際に、こちらから何も言わなくても全額お支払いしてくださった会社もあれば、あっけなくキャンセルされて未払いで終わった会社もあります。
然るべき対応をしてくれる実例はあるので、泣き寝入りせず交渉してみることが大切です。

 

餅は餅屋、まずは弁護士に無料相談してみる

下請かけこみ寺

下請かけこみ寺

全国48ヶ所に設置された中小企業庁の委託事業で、支払遅延や不当な制作のやり直しなど、下請法に関する相談ができます。
まず、電話・メール・面談で相談員が悩みを聞いてくれ、そのあと弁護士につないで無料相談をしてくれたり、裁判外紛争解決手続や中小企業庁への通報など、適宜対応してくれます。

 

法テラス

法テラス

法テラス(日本司法支援センター)は、国が設立した法務省所管の法人で、法的トラブル解決のための総合案内所です。
法テラス専門オペレーターが、相談内容に応じて法制度や相談機関・団体など紹介してくれます。

※弁護士への相談は、1つの問題につき3回まで無料ですが、収入や資産が一定額以下であることが条件です。

 

弁護士ナビ

弁護士ナビ

全国およそ550の法律事務所が登録していて、地域と分野で相談できる弁護士を探せます。
「初回の面談相談無料」というアイコンがあれば無料相談可能です。

また、無料法律相談Q&A質問を投稿すると(匿名OK)、弁護士が無料で回答してくれます。
これまで寄せられた他の人の質問&回答もチェックできます。

 

債権回収の基本的な対処方法

❶内容証明を郵送またはメールで催促する

弁護士に相談してまとまれば、内容証明を作成してもらい郵送またはメールを投げかけます。(自分で請求することも可能)
クライアントの経営状態などによって内容証明の文面や交渉の進め方はケースバイケースです。

私も発注者側の立ち位置でしたが、メールで返金の内容証明を送ったことがあります。
メールでも弁護士からのレターはかなり焦った様子だったので、本気だという意思表示をするのに効果的です。

 

❷簡易裁判所からの支払督促

内容証明の他に、支払督促を発行するパターンもあります。
申立書の書類審査のみで、手数料と発注者に書類を送るための切手を同封して発注者の住所を管轄する簡易裁判所に提出すれば、簡易裁判所が支払いを命じてくれる仕組みです。

 

❸少額訴訟や簡易・地方裁判所で裁判

書面より強力な、判決や調停など決着のつく裁判所手続きです。
支払督促して異議申立てがあった場合にも、訴訟手続きに移行します。
少額訴訟(60万円以下の請求)、簡易裁判所(140万円以下の請求)、地方裁判所(140万円超えの請求)と、金額によって適した裁判所へ訴状を提出します。

 

未払いにならないよう未然に気をつけること

クライアントの評判を確認する

会社の評判をネットやTwitterでリサーチしてみたり、転職サイトに掲載されている社員や元社員のレビューなどを参考にして、問題なさそうか確認できると安心です。

事前に契約を交わす

事前に発注内容や報酬、納期といった基本的なことから、依頼のキャンセル料や免責事項などを文面で残しておくことでトラブル回避がしやすくなります。

 

フリーランスの保険「FREENANCE」で即日払い

FREENANCE

フリーナンス口座を開設して、発行した請求書を申請することで、運営が請求書を買い取ってくれるため、報酬を「即日払い」で受け取ることが可能です。

ただ利用するには審査や手数料3~10%かかりますが、クライアントに知られることなく即日で報酬を振り込んでもらえるので、未払い防止になります。

 

クラウドソーシングを利用する場合の注意点

クラウドワークスココナラミツモアなどのプラットフォームで受注する場合は、クライアントに先に決済(仮払い)を済ませてもらうようにした方が安心です。
実際に制作物を納品したら必ず支払われるという思い込みがあり、先に支払い手続きをしてもらわず制作に取りかかったことがありましたが、修正対応まで済んだあとに音信不通になり、結局報酬を受け取ることができませんでした。
もし、クライアントから仮払いを後回しにされ、制作を求められたら注意した方がいいです。

また、プラットフォーム以外での「直接取引」を提案され、運営サイト上以外のやりとりになってしまった場合、未払いなどのトラブルが起きても運営のサポートが得られず自己責任になってしまうので、特に初回は要注意です。

 

さいごに

家に帰るまでが遠足、報酬を受け取るまでが売上になります。
どうしても企業対個人事業主や下請けでは弱い立場になりがちですが、お金のことは両者できちんと話し合い、時に法律に沿って解決せねばならない問題です。
大ごとになる前に手を打ったり、弁護士に相談したりして、気持ち良く仕事をしていけるように対処していきましょう。

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