こんにちは。イラストレーターのkisa(@kisa.ne.jp)です。
「現代アートってなんかよくわからないから楽しみ方を教えてほしい」という質問をいただきました。
今回は現代アートの楽しみ方に加え、アート思考の必要性についてお答えします。
Contents
現代アートとは
現代アート(コンテンポラリー・アート)のざっくりとした定義としては、現代社会の情勢や問題を反映し、美術史や社会批評性が含まれるものを指します。
「現代」というのは第二次世界大戦(1950年)以降のアートを指します。
「現代アートの父」と呼ばれるマルセル・デュシャンが1971年に発表した「泉」という作品がアートの概念を大きく変え、現代アートが世界中に広まりました。
それまでオリジナルで制作したものが常識でしたが、この作品は既製品の男性用の小便器にサインしているのみです。
便器というものを再定義して作品として価値を生み出す、いかに普段ワンパターンなものの見方になっているかに気づかされます。
もしかしたら、知識を与えられずに初めて便器を見た人なら「泉」と答える人がいるかもしれません。
「もしこれを初めて見たなら…」と想像してみると衝撃的なアートが生まれるかもしれないですね。
便器つながりで、このお菓子もかなり衝撃を受けました。
コーラ味は特に色的に…
現代アートの楽しみ方
常識や既成概念を壊してくれる未知との遭遇
大人になるにつれ気がつかない内に既成概念や常識に捉われてしまいますが、それをぶち壊してしまうことは柔軟にものごとを見る上で大切なことです。
現代アートはなんでもアリで、凝り固まった脳に刺激を与え、まったく予想できない作品に出会えるという面白さがあります。
また、視覚だけではなく五感を刺激するものも多く、鑑賞というよりも体験に近い形で世界観に没入することができます。
作品を通して自分の思考に触れる
写実主義のアートは繊細で見ていて美しいと感動することができますが、現実的でわかりやすいので受動的な思考止まりな部分があります。
現代アートは質問にもあったように、見てすぐ理解するのが難しいですが、「この作品は○○を表しているのかな」など能動的な思考で鑑賞することができます。
言葉では言い表せない、作者が表現したものを鑑賞者が受け取り、脳内で対話するとき、自分の価値観や感覚に気づかされます。
現代アートに関して詳しくなくても、「私はこの色合いが好きなんだな」など最初はちょっとしたことでも「作品を見て、考えて、気づく」これが現代アートの楽しさで、これを繰り返していく内にものの見方、考える力も養われていきます。
鑑賞者それぞれの思考次第でまったく別の意味の作品にもなり得るところが現代アートの興味深いところです。
興味惹かれる作品に出会ったら深掘りする
展覧会で「なんとなくこの作品好き」と思ったらさらに作品や作者のこと、技法について調べて深掘りすることで意味がわかってきて、もっと好きになることがあります。
そして現代アートについての知識がついてくることによって、より楽しめるようになります。
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アート思考をビジネスやプライベートで活かす
常識的ではない考え方、新しい観点=アート思考
アート思考とは、アーティストが作品を生み出す際の思考法のことです。
現代アートを見ることにより好奇心や感性が高まり、アート思考で物事を考えられるようになると、マンネリ化しているビジネスやプライベートを打破することができます。
例えば、先ほどの「もこもこモコレット」のように、トイレの中の泡を吸うという常識的ではないお菓子が、まさかのシリーズ8まで続いて、売切続出という人気商品となっています。
アート思考は今までにないサービスや商品を提供したり、親しい人にサプライズをしたり、公私ともに役に立ちます。
さいごに
ディズニーランドやUSJももちろん楽しいですが、豊かな思考を育んで高揚感も与えてくれる「思考の遊園地」も違った楽しさがあります。
また、現代美術館に行かなくても駅前や道端、商業ビルの中などでも現代アートを見ることができるので、ちょっとハードルが高いと感じる方はまずは身近なところでアートを感じてみてはいかがでしょうか。
誰かと一緒に見て感じたことを話合うのも新たな発見があって面白いです。
作者と、自分自身と、他の鑑賞者と、ぜひコミュニケーションをとってみてください。