• アートとサウナの新しい体験「チームラボリコネクト」

2021.11.16 2024.2.8 アート

アートとサウナの新しい体験「チームラボリコネクト」

 
こんにちは。イラストレーター・デザイナーのkisa(@kisa.ne.jp)です。
第3次サウナブームといわれるほど盛り上がっているサウナ。
そのサウナにアートを掛け合わせたという興味深いイベントが開催されていました。
今回は、六本木で開催中の、チームラボのアート×サウナという新しい体験を味わってきたのでお伝えしていきます。

アートとサウナによる新しい体験

サウナに入ったことはこれまで何度かありましたが、水風呂には入ったことがなく、ととのった?ねづっち?という感じでした。
正しくは、「ととのう」とは温冷交代浴によって深いリラックス効果と天にも昇るような快感が得られた状態のことです。
他にも、アイデアが浮かびやすくなったり、五感が研ぎ澄まされたり、健康面では冷え症や自律神経失調症、不眠症に効くといわれています。

普通にアート鑑賞するのではなく、「ととのう」ことによって美しいものは、よりいっそう美しく感じられ、普段の感覚では気がつかない体験を得ることができるといった意図があるとのことです。

 

水着に着替えて温水シャワーを浴び、水を飲んだ後、下記のサイクルを3セット繰り返します。

  1. サウナ室で汗をかく(10分)
  2. 冷水シャワーを浴びる(1〜2分)
  3. 身体を拭いて水を飲む
  4. アート浴エリアで休憩(10分)

※4セット以上行うと一度上がった自律神経の機能が逆に低下し、ふらふらになってしまう方がいたそうです。無理せず自分の体調と相談しながら慣らしていくのがベストです。

 

サウナエリア

呼応するランプのアレイとスパイラル


サウナ室の中は撮影NGでしたが、サウナ室に入る前の廊下の天井部分のアートは撮影できました。
人が高密度に集合している塊の一番低いランプの下を通ると、そのランプが輝き音色を響かせます。
もしくは、人が各サウナ室に出入りすると、そのサウナ室の出入口付近のランプが、それぞれのサウナ室内の光の色に輝き音色を響かせます。

サウナ室は、女性専用サウナ・貸切専用サウナを含め、計7室ありました。
「白樺」「松」「ほうじ茶」「シナモン&ジンジャー」「ジュニパー」など各部屋で香りが違っていたり、「焚き火」「森の風」「川」「ピンクノイズ」などBGMもそれぞれ違っていて楽しめました。

 

冷水エリア

 
冷水浴は水風呂の代わりに、冷却器によって冷やされ、温度が一定に維持された冷水シャワーを浴びます。
レバーで切り替えられ、頭上から大量の冷水を浴びるか、顔と髪が濡れないように肩口から冷水を浴びることができます。
1回目のシャワーのときは冷たくて心臓がバクバクしすぎてビックリしましたが、3回目に浴びる頃には気持ちよく感じるようになりました。

また、冷水エリアもアート空間になっていました。
カラフルな蝶がたくさん飛んていて、蝶に触ると死んでしまい、すとんと落ちていきます…
そして中には入ると、また別世界が広がっていました。
神々しい円が現れ、これは禅における書画のひとつ、円相(円形を一筆で描いたもの)を表したものです。
古来は空中に杖などで円圏を描いて表されたりしたそうです。
悟りや真理、宇宙全体、平等性を象徴的に表現したもので、キレイなだけじゃなく仏教の意味合いも含んだ深いアートでした。

 

アート浴エリア

冷水を浴びた後はいよいよアート浴です。
チームラボといえば没入感のあるアートが特徴ですが、ととのった後だとふわふわした感覚で自分とアート作品の境目がなくなるような、真の没入とはこのことかと思い知らされました。

降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命

 
目の前に大きく広がる映像は、プログラムによってリアルタイムで描かれ続けていて、同じ映像をリピート再生していないというので驚きです。
人が座ったり立ったりする振る舞いの影響を受けながら変化し続け、一瞬一瞬の絵は二度と見ることができないので、絶えず流れ巻き戻すことのできない時間のようです。

 

 
花々が誕生と死を繰り返しながら増殖していき、増殖しすぎると一斉に散っていきます。
満開になった花々は色鮮やかでお見事でした。
そして改めて死があるからこそ生が輝いていると感じました。
命あるものの儚さ…生きているだけで尊いですね。

 

生命は結晶化した儚い光

 
幻想的な煌めきが目に入った瞬間心踊りました。
光が固形化された結晶のようなものが空間全体に浮遊して、上に流れているものや下に流れているものがあります。

光の結晶に触れると壊れ、その結晶の光が作品空間全体に広がります。
見えている部分は絶え間なく流れ続けているものの一部で、生命は一度もとぎれることなく流れ続けるエネルギーの連続体の中で、奇跡的に固形化された、儚い光の結晶となってあらわれる現象を表現されています。

 

空中浮揚-平面化する赤と青、曖昧な紫

 
空中の真ん中で静止したり、上がったり下がったりを繰り返す不思議な球体は、何にも吊られていません。
暗くてよくわかりませんが、実はどこかにマリックさんがいる…?

こちらのアートは、「生命=エネルギーの秩序」が表現されたものです。
夕焼けを見ているかのような気分にもなり、水面に映る揺らぐ球体にも癒されました。
一人間というより一動物の感覚になりました。

アートはすべて違うようでいてテーマ性は一貫されていて、心に響きました。
個人的にはこの浮遊する球体の作品がずっと見ていたいくらい没入できてよかったです。

 

 チームラボ & TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ
 ■会期   2021.3.22(月) – 11.23(火)
 ■時間   10:00〜23:00(最終入館は21:30)
       ※11.3、11.17を除く水曜日12:00-23:00 (最終入館21:30)
 ■アクセス 東京都港区六本木5丁目10-25(けやき坂下交差点向かい)
 ■チケット 平日 4,800円(モーニング割2,400円)
       土日祝・特定日 5,800円
 https://reconnect.teamlab.art/jp

 

さいごに

暗くて気がつきませんでしたが、着替えるときに腕の皮膚が電気ストーブにあたりすぎたみたいにまだらに赤くなっていてビックリしました。
急いでググると「あまみ」とよばれるもので、健康的に良いか悪いかはまだ一概には言えないというのが気になりますが…体の芯まであたたまった証拠みたいです。

また、超方向音痴のため、いつもは建物から出て地図アプリで駅を検索しますが、なんとアプリを開かずとも庭のようにわかるわかる!
ととのってるって最高!
今回、平日の午前中に行き、疲れてしまうかなとも思いましたが、むしろ疲れやストレスが吹っ飛びました。

初ととのいからのアート体験は、心身ともに感化されて、発見や驚きがたくさんあって、かなり充実した時間になりました。
きっと走馬灯にも出てくることでしょう。
次はシャワーではなく水風呂に入ってみたいと思います。

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