こんにちは。イラストレーターのkisa(@kisa.ne.jp)です。
宇野亞喜良さんといえば、妖艶でファンタジックな不思議な魅力のある作品を描かれていますが、私もその魅力に一瞬で虜になったものです。
個展は今までたくさんされていますが、2024年、史上最大規模のスケールの宇野亞喜良展が開催されたということで、早速観に行ってきました。
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宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
御年90歳のイラストレーター・グラフィックデザイナーの宇野亞喜良さんの作品が詰まった、過去大規模の個展が東京・初台で開催されました。
ポスターや雑誌、アニメーション映画など、展示数900点超のボリュームでインスパイアのシャワーと化しています。
新聞・雑誌・書籍
新聞・雑誌での仕事が長期に渡って一番多かったそうです。
初仕事は『新婦人』の扉絵で、翌年からは鈴木恒夫さんという写真家と組んで、写真とイラストを融合させた表紙を制作されています。
1970年頃に出版された『世界の名作童話』シリーズは、カセットテープ付きで出版されていたそうです。
原画は主にカラーインクで、その上にトレーシングペーパーを貼り付けて色指定を行い、原画の白い部分が黄色で刷られるなど、出版物と原画は仕上がりが違っていたようです。
日本デザインセンター時代に友人の横尾忠則さんと制作された大物同士のコラボ絵本。
赤と青のセロファンが挟まっていて、2人の絵が重なっている箇所があり、赤セロファンを置くと宇野さんの絵だけ、青セロファンを置くと横尾さんの絵だけが見えるという面白いしかけ絵本です。
宇野作品の中でかっこいい部門1位だと思うこちらのポスターは、大洋工芸の展示会に用いられたものです。
どことなく横尾さんの作品味も加わっているような気がします。
電気がついたり消えたりする展示スペースでは、暗くなると蓄光インク部分が浮かび上がり、幻想的な妖艶さが際立っていました。
舞台
1960年代半ば、劇作家の寺山修司氏と出会ってから演劇や舞台のポスターも手がけられるようになりました。
異彩を放つポスターは、街中に貼られる度に剥がされてしまうほど人気だったそうで、確かにこんなおしゃれなポスターは部屋に飾りたいです。
壁一面にびっしり貼られたポスターたち。
しっかりリアルなデッサンタッチの作品は初めて見ました。
演劇や舞踊などの装置から衣装、さらに台本まで手がけられることもあったそうで、多才すぎます。
水嶋カンナさん主宰のProject Nyxに携わられ、『星の王子さま』第4回公演では、宇野さんのアイデアで劇中に人形が使用されました。
立体になっても独特な世界観が再現されています。
アーティストや企業とのコラボ
椎名林檎やシャカラビッツなど、著名なアーティストのジャケット・ポスターなども手がけられています。
宇野さんのイラストは青春時代も思い出させてくれます。
マジョリカマジョルカの似顔絵ジェネレーターは、私も当時アイコンにしていました。
改めてハイセンスなアイコンですね…
そして宇野さんのアンニュイガールズたち、誰かに似ていると思ったら、小松菜奈さんの雰囲気に似ていませんか。
ディズニーストアと共同企画された、宇野亞喜良版プリンセスのグッズも展示されていました。
がらっと大人っぽい雰囲気になって素敵です。
幻のアート・アニメーション
宇野さんは久里洋二氏・真鍋博氏・柳原良平氏による「アニメーション三人の会」にゲストとして招かれ、アニメ作品を3本制作されていました。
女性の肌にペインティングされた絵が、身体の動きによって官能的に動いたり、バロックの調べとマッチしたアニメーションは、宇野亞喜良ワールドを際立たせていました。
宇野亞喜良グッズ
個展オリジナルグッズや、これまで出版された本など盛りだくさんでした。
この記事のTOP画像のイラストが特に気に入りましたが、ポストカードが売り切れていて残念でした…
さいごに
かつてこれほどまで長い略歴を見たことがあっただろうか…
宇野亞喜良さんの90年という長い人生の仕事編を、初期から現在まで辿れてすごく有意義な時間でした。
壁に書かれてあったこの言葉から仕事が大好きなんだと伺えます。
文字から絵を発想することが好きだし、少女を描くのが好きだからなのだと思う。考えれば、90歳にいたる長い時間を、この好きだから・・・・・・という気分で仕事をしてきたし、そんな気分で生きてきたような気がする。
宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
仕事の時間は人生の多くのウェイトを占めているので、イヤイヤではなくワクワクして取り組めるのは、生きがいになり本当に幸せなことだと思います。
私もイラストやデザインの仕事が好きなので、高齢になっても生涯現役で、楽しく経歴を更新していきたいです。
宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
■期間 2024年4月11日(水)〜6月16日(日)
11:00~19:00 ※入場は18:30まで
■会場 東京オペラシティ アートギャラリー
■料金 一般1,400円 大・高生800円
中学生以下無料
https://www.operacity.jp/ag/exh273/
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