こんにちは。イラストレーター・デザイナーのkisa(@kisa.ne.jp)です。
デザインには不正解はあっても明確な正解はなく、なかなか判断が難しいです。そんなデザインを、各界のスペシャリストが審査員として評価する、日本最高峰のデザインアワードが開催されています。
今回は、グッドデザイン賞についてご紹介していきます。
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グッドデザイン賞とは
「グッドデザイン賞」は、1957年に創設され、元々は、国がデザイン盗用を防止するために始まった制度です。
毎年デザインが優れたものに贈られています。
公式サイトでは、下記のように定義されています。
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。
引用:g-mark.org/about
また、グッドデザイン賞に選ばれた中から、最も優れたデザインには「グッドデザイン大賞」が贈られます。
2011年からは審査員だけでなく、一般投票も加わりました。
定義である“私たちの暮らしや社会をよりよくしていくため”にフォーカスして、さまざまな人の想いも反映させたのがうかがえます。
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ユニークなグッドデザインをピックアップ
花器 [D-BROS]
平面的なビニールパックに水を入れると、立体的な花瓶に見えるという花器です。
ひとつ1,000円なので、気軽に花に合わせて花器も変えて楽しめます。
落としても割れず、使わないときはペシャンコにできるので、収納に困らない点も便利ですね。
布団の圧縮パックからひらめき、ビニールを熱圧縮してフォルムを花瓶型にされたそうです。
食べれるカップ [エコプレッソ]
エスプレッソを飲んだあとに、カップも丸ごと食べられる、見た目にもかわいいカップです。
もっと大きいカップがほしいとの声もあったようですが、食べきれないとエコにはならないので、エスプレッソサイズになったようです。
40分ほど漏れずに維持できるそうです。
スターバックスやセブンイレブンでも、プラスチック製ストローから紙製ストローに切り替わったように、デザインにもエコな取り組みが必要だと改めて感じました。
紙のお香 [HA KO(はこぅ)- 和紙でできた葉っぱのお香 -]
和紙で作られた、葉っぱの形をしたお香です。
火をつけると焚き火を連想させる、ナチュラルで繊細なデザインです。
自然に触れる機会がない人にとっては特にありがたい、ほっこりできる癒しの時間になりそうです。
本屋 [文喫]
商品だけでなく、ビジネスモデルや空間のデザインも審査対象になっています。
文化を喫すると書いて「文喫」という店名です。
「本と出会うための本屋」がコンセプトで、電子書籍やネットで本を買える利便性や在庫数などで勝負をしていません。
図書館ともまた違う偶発的な本との出会いがあり、新しい購買体験・読書体験が得られます。
科学やデザイン・アート、ビジネスなど、普通の本屋ではあまり出会うことのないラインナップも交えた、約3万冊の書籍を販売されています。
入場料が1,500円で読み放題、コーヒー・煎茶が飲み放題です。
定期的に本や喫茶の企画も行われています。
入場料を支払うことで本に向き合うモチベーションも上がり、居心地のいい空間で思いっきり本を楽しむというワクワク感があります。
また、電源やWi-Fiもあるので、仕事での利用にも使えます。
セラピーロボット [Qoobo]
クッションにしっぽが生えた、インパクトのあるデザインです。
ペット禁止や、忙しくて世話ができない人や、ペットにしろロボットにしろ高いんでしょという人にうってつけなロボットです。
撫で方によってしっぽの振り方が変わり、本物のしっぽの動きが再現されています。
ロボットは製造や介護など、肉体的な負担を減らすための需要は大きいと思いますが、それ以上に人間にとって孤独感はうつにもなり得る怖いものです。
精神的に満たしてくれるロボットも、このご時世ますます需要があると思うので、安価で手に入れやすいことは、とても重要だと感じます。
永代供養墓 [&(安堵)]
お墓のイメージをガラッと変えた、一見チョークが並んだアートにも見えるお墓です。
イメージと同様に概念も変わっていて、「お墓は戸籍が同じ家族が入るもの」ではなく、「誰とでもOKな、2人で入る専用のお墓」です。
夫婦や兄弟から、異性同性問わず友人と入ることもできます。
核家族化や少子高齢化、晩婚化で維持や管理が難しくなっているのを問題視してデザインされました。
手を合わせる、触れる、抱きしめるなど、お墓を前にした立ち振る舞いと、来訪者の身体との関係を、親しみやすいカタチで表現されています。
従来のものと違って場所の融通も効いてスペースも取らないので、時代に合わせて最適化されたデザインの必要性を感じました。
(個人的にはお墓なしで海に散骨してほしいですが…)
さいごに
公式サイトには色んなジャンルの歴代の受賞作品が掲載されていて、社会をよくする「よいデザイン」とは何なのか、と深く考えることができます。
また、インスパイアもされるので、デザイナーのみならず起業家や経営者にもオススメです。