こんにちは。イラストレーター・デザイナーのkisa(@kisa.ne.jp)です。
Gucciがブランド創設100周年を記念した展覧会「Gucci Garden Archetypes(グッチガーデンアーキタイプ)」を東京・天王洲で開催。
今回はその没入型展覧会を実際に観に行って来たのでお伝えしていきます。
Contents
- 1 Gucci Garden Archetypes
- 1.1 Control Room
- 1.2 Gucci Collectors 2018年秋冬コレクション
- 1.3 Of Course A Horse 2020年春夏コレクション
- 1.4 Gucci Beauty Network
- 1.5 Urban Romanticism 2015年秋冬コレクション
- 1.6 Tokyo Lights 2016年秋冬コレクション
- 1.7 Dans Les Rues 2018年プレフォールコレクション
- 1.8 Gucci And Beyond 2017年秋冬コレクション
- 1.9 In Bloom
- 1.10 Gucci Hallucination 2018年春夏コレクション
- 1.11 Rebellious Romantics 2016年春夏コレクション
- 1.12 Come As You Are_RSVP 2020年クルーズコレクション
- 2 Gucci Garden Archetypesグッズ
- 3 バーチャルツアー「Gucci Garden Tour」
- 4 さいごに
Gucci Garden Archetypes
Gucci Garden Archetypesは同年5月からフィレンツェ、香港、上海と巡回し、そして今回東京での開催になります。
クリエイティブディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレが、過去6年間にわたり手掛けてきた広告キャンペーンを通じて、ビジョンや美学、哲学を表現した没入型展覧会です。
Control Room
まずはじめに広がる青い空間にモニターがたくさん設置されているインスタレーション。
映像のモンタージュは、それぞれの展示室の要素を混ぜ合わせたものです。
広大な宇宙空間の中でそれぞれのストーリーが繰り広げられているイメージです。
ノスタルジー好きとしては、一昔前のぶっといパソコンに惹かれました。
この他にも80年代要素が散りばめられている部屋が多い印象でドストライクです。
Gucci Collectors 2018年秋冬コレクション
テーマはコレクターということで一目瞭然。
狂気にも似た圧倒的な情熱で透明ケースにコレクションされています。
四方八方に鏡があることによって無限にアイテムがあるかのような、終わりのない世界観になっていて考えさせられました。
時計売り場でもこんなにないほどのハト時計がズラーっと並んでいます。
これがいっせいに鳴り出してくれたらという思いは叶わないことを一瞬にして理解しました。
こちらはぬいぐるみコレクション。
クマ率高め。
Of Course A Horse 2020年春夏コレクション
フルフル揺れる不可思議なロボット。
貞子のような髪の毛?と思いきや馬のしっぽです!
映画監督のヨルゴス・ランティモスが撮影した馬と人間とのショートムービーの要素が入っています。
個人主義を尊重し「自分のスタイルを自ら決めることで、窮屈なルールを打ち破る」というファッションの自由とパワーを体現しています。
Gucci Beauty Network
リップスティックの広告キャンペーンをビデオポスターに変えたものです。
「大胆な人、輝ける人、美しい人のために」というフレーズが添えられている通り、笑顔やウィンク、歯を舐める舌、笑い声などエネルギッシュさを感じさせます。
ノイズの入ったシンセサイザーとミュージック、80年代だけど現代的でもあるかっこいい空間でした。
Urban Romanticism 2015年秋冬コレクション
完璧に再現された地下鉄の車両に、広告キャンペーンのイメージがスクリーンに流れます。
「まだ来ない」「もう行ってしまった」の間で動き続ける場所で旅についての物語が表現されています。
現代は大抵の人がスマホを眺めていますが、車窓の景色を眺めながらこれからのこと、その日あったことの余韻など物思いにふける時間というのもいいですよね。
Tokyo Lights 2016年秋冬コレクション
東京(歌舞伎町?)を舞台にしたきらびやかなインスタレーション。
デコレーションされた大型トラックは、日本人のカスタマイズ愛、チューニング文化に根差し、旅する芸術品となっています。
パチンコ店の音声が響くこの部屋は騒々しく昼よりも明るい夜の世界が詰まっています。
虹色のネオンで縁取られたショーウィンドウのアイテム。
伝統とコンテンポラリーカルチャーが融合されています。
Dans Les Rues 2018年プレフォールコレクション
壁や天井にびっしり書かれているのは、愛と美、未来への賛歌です。
パリの学生たちと労働者が革新のために起こした反乱「五月革命」から50年目の2018年に、グッチが広告キャンペーンでフランスの若者たちを讃えました。
人々の声が路上に巨大な塊として浮かび上がり、歩いているとたくさんの人の文言ひとつひとつが熱気を放っているように感じられ圧倒されました。
Gucci And Beyond 2017年秋冬コレクション
ガラスの向こうにはティラノと探検隊やエイリアンたちの戦いが繰り広げられているジオラマが飾られていました。
広告キャンペーンの映像では、60年代から70年代にかけてのSF映画やSF番組を取り入れた冒険物語として宇宙の叙事詩を表現しています。
そのキャラクターたちののグッチの職人がディテールにこだわって忠実に再現しました。
In Bloom
お次は色鮮やかなたくさんの花といい香りが漂う庭園。
ここまでドーパミンを放出していた脳が急に、セロトニンを放出し始めました。
「グッチ ブルーム」というフレグランスで、「豊かな花束」を体現した空間です。
広告キャンペーンの映像では3人の泉の妖精があらゆる場面をエデンの園へ変えていきます。
香りにお花に、まさに楽園で癒されました。
Gucci Hallucination 2018年春夏コレクション
リアリズムを特徴とするイグナシ・モンレアルの絵が壁や天井に描かれていました。
2018年春夏コレクションの世界を表現するために、数ヶ月もの間休みなしで1日14時間制作に励んだそうです。
中世の雰囲気漂う、夢の中の世界に入ったような不思議な世界観でした。
Rebellious Romantics 2016年春夏コレクション
ベルリンの武骨な建築物を颯爽と走る抜けた若者たちをフューチャーした広告キャンペーン。
急き足でダンスホールに戻る瞬間をマネキンが再現しています。
内装デザインや服装も色鮮やかで心躍る空間です。
そして奥で聞こえるクラブ音、話し声、トイレの流し音、ガラスコップが割れる音…
まさに今自分がベルリンのクラブに遊びに来ているかような没入感がありました。
個室に女性2人!?
公では難しい秘密のやり取りをしているのでしょうか…
とりあえずいい女であるということはわかります。
Come As You Are_RSVP 2020年クルーズコレクション
食器やクリスタルのグラスなど収納されているクリーンな印象の部屋。
ハーモニー・コリンが監督を務めた2020年クルーズコレクションの広告キャンペーンでは「グッチは皆が参加できるパーティーのようなもの」として表現されています。
80年代は終わりのないパーティーの時代だったようです。
イギー・ポップ、シエナ・ミラー、グッチ・メイン、マリセラ・フェデリーチが、1000人のゲストともに参加した盛大なパーティーを開きました。
そしてそれの記憶のような空間にスナップショットや思い出の痕跡のギターやバックなどが置かれています。
中央にはフリボンダの女王がかぶっていたヘッドドレスが飾られています。
これをかぶれば小顔女王になれそうです。
Gucci Garden Archetypesグッズ
グッズコーナーもカワイイものがたくさん販売されていました。
もちろんハイブランド価格、ノートが4,000円超えとなっております。
限定壁紙
展覧会を見終わった後に、来場のお礼ということで壁紙がLINEで送られてきました。
なんとなくトイレットペーパーマガジンのようなシュールな雰囲気がカワイイ〜
バーチャルツアー「Gucci Garden Tour」
現地で見ることができないという方は、オンライン上のバーチャル空間で鑑賞することができます。
動画や音声もあるのでかなり臨場感があります。
今回の展示とは少し違うところもあるので、観に行った人でも楽しめます。
(現地になかったものがあったり、お手洗いにいた男女のコーディネートが違ったり)
Gucci Garden Archetypes
【会期】2021年9月23日(木・祝)– 10月31日(日)
【時間】11:00 – 20:00(金・土・祝前日は21:00まで)
※最終入場は閉館時間の30分前まで
【会場】 B&C HALL・E HALL 東京都品川区東品川2-1-3
※最終入場は閉館時間の30分前まで
※入場無料、グッチ公式LINEアカウントでの事前予約制
https://www.gucci.com/jp/ja/st/capsule/gucci-garden
さいごに
無料とは思えないほどの満足感があり、どっぷりとグッチの世界観に没入できました。
テーマごとに分かれた部屋はそれぞれ違った切り口で表現され、広告キャンペーンという商業的なものをインスタレーションというアートに見事に変化させて面白かったです。
グッチの独創的なビジョンに触れて感性が刺激された、いい非日常体験でした。
そしていつかGucciとコラボしたいと強く感じました…!